ある種の境地

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意外にもゴッドボッチは、人と触れあいたいと思わせる行動をよくする。 具体例をあげると、トランプ等のカードゲームをやっているクラスメイトの真後ろに行って手札を覗くのだ。 気味が悪いのでクラスメイトは、怪訝な表情を浮かべながら無視をする。 輪に入れてほしいのだろう……。入れるわけがない。空気が悪くなるだけだ。それは、空気洗浄機を求めるほどに……。 コイツは声をかけることもせず、ニヤけながら人の手札を覗いているのだ。鳥肌が立って仕様がない。 さらに男は、誰ふり構わず会釈する。相手にされなくてもそうする。確かに挨拶は人付合いをするためには必須スキルだ。 だが考えてみろ、お前は入学して以来それをやっているが友達が出来た試しがないだろ。 お前のやってることは不毛だ。他人を不快にさせてるだけだ。いい加減気付け! まあ、無駄である。コイツには学習能力というものが存在しない。 周りの人間とは根っこから違う。 お前はまさか、異世界人なのか? だがそれを、己の信念に基づいてやっているのなら評価できる。 お前にしか出来ない数々の奇行に言葉を送ろう。 お前は頂点に君臨している!凡人は、お前の領域に達することは不可能だろう。 そこにゾクッとする。逃げたくなる。
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