ある種の境地

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ゴッドボッチが眠りから覚めると、教室には誰もいなかった。 次の授業は選択科目で、各人が選択した授業を受ける。クラスメイトは、教室移動した。 コイツは怠惰でだらしがない救いようのない奴だ。 授業中の大半を爆睡していた。多くの人も、授業中についつい目頭が緩くなって眠ってしまうことはあるだろう。 この男はいつもそうだ。先生に何度怒られても変わらない。 だから先生も呆れて、怒ることすらしなくなった。 誰も構わない、構いたくない。それがお前という存在だ。憐れだ。だが、お前が悪い。擁護なんてする暇あったら単語の1つでも覚えたほうが有意義である。 ゴッドボッチは、机に垂れたヨダレをブレザーで拭い、次の授業の準備を始めた。 わざわざ説明するまでもないが、これもクラスメイトから避けられる原因の1つだ。 夏は白のワイシャツでその行為をするから、ワイシャツが黄ばんでいるのが目に見えてわかる。 人が持ち合わせてなければならない意識がスッポリと抜け落ちているそれがお前だ。
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