金にのせられた俺の失敗

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「お姉ちゃん助かったわぁ、少ないかもしれないけど撮影に協力してくれたバイト代よ」 封筒の中にはこの前も見た商品券。金額も同じ1万円。1万円!! …………このさっきの写真でこの金額!もう文化祭の時の屈辱もどうでもいいわ、やっぱり社会人は違うね、太っ腹だわ。 「姉ちゃんありがと!また何かあったら言って、俺手伝うから!」 先程の姉ちゃんのようにきっと幸せオーラが俺からも出でいるはずだ。だってこの数日で2万も貰っちゃったからな! 「ホントに?助かるわぁ、バイト代も弾むからまたお願いね。」 あ、クリーニング出してあげるから服脱いで、それからお風呂沸いてるからそのまま入っちゃいなさい。 優しい姉に促され風呂に入りその後爆睡。 だから俺は知らなかったんだ。あの撮られた写真が一部の熱狂的な方々にとってどれ程の価値を持つものか、写真だけでなくまさかの動画も撮られていた事とか、そして姉のSNSを大学の子が知っている状態の中、あの写真が投稿される意味も。 後の祭り、まさしくそれだった。
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