金にのせられた俺の失敗

時は数日進み、平凡な俺の人生に終わりを告げるイベントが着々と近づいてきていた。

そう、10月の大学の一大イベント、文化祭。そこでバスケサークル入ってるんだけどね、焼き鳥の屋台する事になったわけ。しかもコスプレして、いやさ、姉ちゃんみたいなガチのじゃなくて学ランとセーラーで店の特徴出そうって、で、大学の文化祭だけど過去の制服着ちゃおうぜって決まったんだ。

そこで文化祭前日、明日の本番の為にやっとこさ制服を捜索しだしたわけ。俺、中学のとき学ランだったからさ、クローゼットの奥とか押し入れとかどこやったかなー？って探したんよ。でも高校のブレザーは出てきたけど学ランがどこ見ても無いの。姉ちゃんの過去の制服とかもあるから多分ここが制服ゾーンだと思うんだけど無いのよ、学ランが。

うっそ、マジで？え、いる時に出てこない感じ？ふざけんなよマジで。

母に姉に父に聞いて回り、至る所の服という服が仕舞われている場所を探し続けてもうすぐ日付がかわる時を迎えようとしていた。

結果、制服は見当たらない。あんだけひっくり返して探したのに。

あると思って前日まで全く探してなかったから遅すぎて友達に頼むことも出来ない。

探したところはぐっちゃぐちゃ、後で綺麗にしないと母さんに怒られる。

片付ける時間も考えると……つまり、時間も、もう無い。

項垂れ、ヤバいとどうしようが頭の中をループするなか聴こえた規則的な音、ぱすんぱすんぱすんぱすんと響く音の出どころは閉じられた扉の向こう。姉ちゃんの部屋。

そこで俺は思い出してしまった。姉が作っているだろうもの、学園系乙女ゲーム、その学園は学ランが制服！そして姉がする予定なのはメインヒーロー！どこを探しても見当たらない学ランと合わせて考えると…………ダッダッダッと足音荒く扉に手をかけ開け放つ。すると。