金にのせられた俺の失敗

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事件発覚の翌日、雲ひとつ無い清々しい青空のもと開催された我が大学の文化祭。 バスケサークルのメンバー達は俺を含めてみな男子は学ラン、女子はカスタマイズ制服を着用し模擬店の運営に勤しんでいた。まぁ男子の方もシャツじゃなくパーカーやTシャツ来てたりと過去の校則に縛られない自由な着こなしを楽しんでいる。俺も学ランのしたパーカーだしね。 かのゲームを知っているヤツが居なかった為か俺の服の真実に気づかれることも無く、寧ろ女子にワンポイントの刺繍を褒められた。胸ポケットの位置に刺繍してあるからか若干上目遣いで前かがみになって見ていたので胸と尻のラインがイイ感じで幸せだった。姉ちゃん、ありがとう。今度文句言わずに大人しくパシられるわ。 そんな事がありながらもシフトの関係で接客にあたる。やっぱりオープンキャンパスを兼ねているのか高校生が多い。 サクサク焼いて、プラスチックの容器に移して、お客に渡す。渡す時は目を合わせ笑顔とありがとうございますを忘れずに、機械のように繰り返し作業を行うなかでそれは起きた。 別の学部の女子だろうか、同年代だろう2人組は俺が商品を渡そうと顔をあげた瞬間に商品でも、俺の顔でも無く、顔をあげようと上体を起こしたその胸元、のポケットいや刺繍に目が釘付けになった。 さっきのサークルの女子とは違う視線の強さに、それに加えてボタンも確認しだした瞬間にやっと気づいた。 あ、コレ、終わったわ。 「み、緑谷様っ!」 誰だよ。 「緑谷様ですよね!そのコスプレ!」 いや、だから誰だよ。 「え、手作りじゃないですか?本物みたい!」 緑谷様とやらじゃねーし、本物は画面の向こうにしかねぇよ! っていうかガチで緑谷様誰だよ。あ、待って、家で学ラン着た時姉ちゃんが勧めてきたんだよなー中のパーカー、やけに着せたがって更に写真も撮られた。もしやこの組み合わせが地雷だったのか?そうなのか!?
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