068.ルークの気がかりと決意

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068.ルークの気がかりと決意

 そして、いよいよラフィリルへ向かおうとしたその時、ルークはルミアーナの何気ない言葉に、受かれていた自分に気づき我にかえった。  その言葉とは…。 「ルーク、よかったわね。本当に!イリューリアなら、きっと()()()()()()()()受け入れてくれるわ」という祝福の言葉だったのだが…。  一見して順風満帆にみえたルークとイリューリアだったが、ひとつだけルークには気がかりがあった。  そのイリューリアを想う気持ちに偽りはなかったものの、成り行きと勢いで、今日まできてしまい大きな問題を深く考えないままにラフィリルに帰ることとなった。  その問題とは、ルークのもつ力の事である。  今日にもラフィリルへ帰るとなった今さらになってルークは考えた。  自分が心に読まれていると知ったらイリューリアは、自分から離れて行ってしまうのでは?…と。  もちろんわざと読んでいる訳ではない。  はっきりとした意思や感情は、聞こえてしまうのだから仕方がない。  何とか制御の方法もためしたが上手く行ったことは無かった。  耳を両手でふさいでも頭の中に聞こえる声までは制御できない。     
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