068.ルークの気がかりと決意

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 本来ならそういった事をのり越えた上で求婚すべきだったのだ。  しかし、あの馬鹿なデルアータの王子の求婚からイリューリアを守るには、あの馬鹿王子より権力のある自分からの申し込みがあの時点では必要だったのだと自分自身に弁解する。  もしも、彼女が自分を恐れたり嫌ったりしたなら、()()()()()()()記憶を消し去る?  自分自身に問うてみる。  嫌だ!そんなのは、絶対に嫌だ!  そう思った。  だが、嘘を言って、騙すのはもっと嫌だ。  そしてルークは今更ながらに考えた。  自分のこの忌まわしい力を告白しなければ…と。  そしてルークは彼女が望むなら…。  どんなに自分が辛くとも彼女が望むなら、この婚約は()()()()()()()()()()()()()をも覚悟をした。  望むのは彼女の幸せなのだから…。  そして、彼女…イリューリアが自分のこの力を知り、ルーク自身を拒んだ場合の事をルークは苦い気持ちで考えた。  考えたくもないが、その可能性の方がよほど高いだろうと考える。  その場合は、彼女を守る為の別の婚約者をあてがわなければならない。     
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