068.ルークの気がかりと決意

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 彼女につきまとうのは何もローディ王子やザッツ将軍だけでは済まないだろう。  どのみち、彼女はあの美しさで公爵令嬢…園遊会に来ていた要人の中でもかなりの貴公士が狙っていたのは言うまでもない。  その中でも本当に心から彼女を守り慈しもうという心を持ちを持つ者そして尚且つ守るだけの権力を持つ者でなければならない。  ルークの中で、血へど吐く思いで、唯一、イリューリアを託すとするならばジャニカ皇国の第二王子ラクアしかいないだろうと思いをめぐらせた。  かの者は本気でイリューリアに心を奪われていたにもかかわらず、自分(ルーク)の事を認めるが故に、身を引きイリューリアの幸せを一番にと考えていた事をルークは、気づいていた。  その気持ちが読み取れたからこそ、もしも自分がイリューリアに受け入れられなかった場合は、あの時、イリューリアを救ったのは自分ではなく()()()()()()()()()()()()にあの場にいたすべての者の記憶すら自分の魔法(ちから)で塗り替え、自分はそっとこの国からいなかったものとして姿を消そう…そう思うのだった。     
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