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昼も夜も美しい装いを考え尽された庭園は本当に美しかった。
「なんて…なんて綺麗なんでしょう」
ムームンと呼ばれるその花は夜に咲き月の光が差し込むとその花弁が淡く淡く光を放つ。
「デルアータの園遊会でのフローリィナの満開の花には負けるけどね」
「まぁ、同じ花とはいえ、またそれは全然、別の美しさですわ。あれは昼も夜も咲き続けますが、3週間くらいで花が散りますし…花の時期が終わって散る時には、まるで雪が舞うようで、それもまた趣があって美しいのですよ」と誇らしげに答える。
「イリューリアの方がもっと綺麗だけどね」とルークがさらっと言うとイリューリアはみるみる真っ赤になる。
(ル!ルークったら、何て事をさらっといっちゃうのですか!う、うう嬉しいけど恥ずかしいっ!ルークの方がよほど素敵なのにっ!)と心の中で叫ぶ。
読むつもりもないが、あまりにもはっきりと言葉にして思う感情はルークにビンビンと伝わるので、ルークまで顔が赤くなる。
別に褒めてるとかじゃなくて本当にそう思っているのだ。
特に身の内からでるオーラの美しさは月の輝きに勝るとも劣らないとルークは本気で思っている。
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