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(ルークったら女の子の喜ぶ様な事をサラッと言っちゃうから困ってしまいます。ルークは私より五つも歳上なんですもの、きっと色んな女性と、お付き合いなさってきたに違いないわよね?)と心の中で思っているとルークがすかさず言葉をかけた。
「言っておくけどイリューリア、僕はお付き合いする女性は君が初めてだからね!」
「え?ルークってば、私の考えている事がわかっちゃうのですか?」とイリューリアが顔を赤らめながらもそう言うとルークの顔から血の気がひいた。
しまった!…と内心思った。
気づかれる前に打ち明けたいと思っていたのに…とルークは胸が締め付けられた。
もちろん、イリューリアも本気で心が読めるとは思っていない。
なんて、鋭いのかしらとおもっている程度である。
しかし、ルークの心は、もしイリューリアに嫌われたら…そんな思いで渦巻いて、冷静さを保つのに、ものすごい葛藤があった。
ルークは覚悟を決めてイリューリアに返事をした。
「…そうだよ。家族にも内緒なんだけど…僕には言葉になった感情は聞こえてしまう。聞かないようにしても気を抜くと聞こえてしまうんだよ」
「!」
イリューリアが、大きく目を見開いた。
「……」わずかに沈黙が訪れる。
イリューリアはいったい何を言われたのか、その意味を頭の中で咀嚼しているようだった。
そして、驚きの表情から発せられた言葉にルークの方が驚いた。
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