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この頭上に輝く月の光にも負けない光をもつ無垢なイリューリアの心からの賛辞にルークは感動した。
「もうっ!何でそんなに可愛いの?」とルークは涙目になりながらイリューリアを抱きよせた。
「きゃっ」小さな悲鳴をあげるイリューリア。
でも、決して嫌がっている訳でない事はルークにはお見通しである。
聞かなければいいのに、つい聞いてしまう。
心の読めてしまうルークだが、思ってもいない事は読み取れないからだ。
これから先で考えるだろう杞憂を今の内に確かめたいという気持ちを抑えられなかった。
「心を読まれるって嫌じゃない?」
その言葉に、躊躇なくイリューリアは答える。
特に悩む様子もなく答えるイリューリアにルークは驚きっぱなしである。
「そりゃあ、だれかれ構わずなんて嫌ですけど…ルークだし」とイリューリアが答える。
心の声とぶれることなく重なり聞こえる言葉はまごうこのなき本心である。
そして、またまた聞かなきゃいいのに聞いてしまうルークである。
「自分が読まれたくないって思う事も秘密にしたい事も伝わっちゃうんだよ?エッチな事とか悪い事とか考えても知れちゃうんだよ?」とルークが言った。
自分が問わなくても、いずれ自分自身で自問自答する問題だろう。
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