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本当は嫌いなのに国王陛下や宰相であるお父様の手前、謝らなければと思われたに違いないのだから…。
不敬とは思いつつも、そんな偽りの言葉など聞きたくなくて…。
私は逃げたのだった。
あの時は本当に辛くて誰にも会いたくなくて…学園への入学すら拒んで屋敷に引きこもった。
お父様や召使たちは、私の辛くて悲しい気持ちを解ってくれず学園へ行くよう進めてきたけれど、お義母さまが庇ってくださった。
ちなみに今のお義母様は私が三歳の頃にお父様の後添えとしてこられた方だ。
私を生んでくださったお母様は私がほんの小さな頃に無くなっていた。
義理の母とはいえ、お義母様は血のつながらない私にも優しい素晴らしい女性だ。
学園にも行かなくて良いと言って下さって、父や召使たちにも私が学園へ行かなくても家庭教師を付ければ良いのだと言って下さった。
そして見た目など気にしないようにと慰めて下さり、王子様を恨んではいけないとも諭して下さった。
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