011.国王からの頼み事---02

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「まあ、そうだわっ!そうよ!イリューリアの生母エマリア様は、ラフィリルの王族の血をひく者だと、聞いたことがあるわ!それも納得出きる神秘的な魅力をお持ちの優しく美しい素晴らしい方でしたもの!」と、王妃がイリューリアの母を思い出し、イリューリアに益々、優しい笑顔をむける。  そう、イリューリアの生母エマリアは、まだイリューリアが小さな頃に病気で亡くなったのだ。  現在の母マルガリータは、父の後添いである。 「うむうむ!そこでイリューリアに頼みがあるのだ。ぜひ、園遊会でラフィリル王国からの賓客への案内役をしてもらいたいと思っているのだが、どうだろうか?」 「まぁ!それは本当でございますか?で、でも私のような社交の場にすら慣れていない者が、そのような大役務まるか不安です」 「おお、それなら心配いらぬ。イリューリアには主にお子様方の遊び相手を務めてほしいのだよ。ラフィリルからの賓客ラフィリアード公爵様はこの度、ご家族でいらして下さるとのお返事を頂いているのだが、現在三歳の双子の男女のお子様方がいらっしゃるのだが、話し相手をつけてほしいと頼まれているのだよ。子供とはいえあのラフィリルの公爵家の令息と令嬢だから、こちらも案内役は相応の身分は必要だし、わたしとしては、少しでもラフィリルという国の素晴らしさを理解している者に案内役をしてもらいたいと思っているのだよ」  デルアータ国王キリクア・デア・アルティアータは、他国にも賢き王と知られる王である。     
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