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012.バルコニーでは…
王城で開かれた舞踏会の夜、バルコニーで男二人が何やら言い争っている。
先ほどまで、ここにいた公爵令嬢イリューリア・エルキュラートの事で揉めていたのである。
「馬鹿だなぁ~、ローディ王子よ!お前、要するにイリューリア嬢はお前に嫌われたと思ってあんな風に自分に自信が持てなくなったって訳だろう?言ってしまった事は仕方ないにしても何ですぐに訂正して彼女が納得できるまで謝らなかったんだ?」
「直ぐに謝ろうとしたさ!彼女の屋敷にも何度も言ったが合わせてもらえなかったんだ」
「だから馬鹿だって言うんだ!俺だったら無理やり忍び込んででも彼女に会って言うね!ホントはお前の事が、可愛くて好きすぎて閉じ込めちゃいたくなるくらい好きな自分が怖くなってあんな事言っちゃったんだってな!」
「な、何を!」
「あ?違うのか?」
「ち!違わないけど、そんな事言ったら彼女に嫌われるじゃないか!」
「本当に呆れるくらい馬鹿だな!王子よ!お前が気にしているのは自分が嫌われるって事だろう?少なくとも俺だったら自分が嫌われるより彼女が自分に自信がなくなってしまう事の方がよほど嫌だね!」
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