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013.義母マルガリータ--01
イリューリアが舞踏会から国王の許しを得て早々に帰ると普段は別邸に住んでいる義母マルガリータが訪れていた。
「イリューリア、お帰りなさい。やはり早々に帰ってきてしまったのですね?心配した通りだわ」
何故か勝ち誇ったようなドヤ顔の義母がそう言ってイリューリアを出迎えた。
「まぁ、お義母様…どうされたのです?私は本日は私は社交界デビューの為、王城での舞踏会に出席すると…」
「知っていますとも!だから心配で来たのですよ。貴女が、初めての舞踏会で肩身の狭い思いをして泣いて帰って来てはいないかと…案の定、こんなに早く帰って来て…どなたともダンスすらせずに帰って来てしまったのではなくて?」
「まぁ、私を心配して、わざわざ来て下さったのですか?」
「そうよ、大事な娘の事ですもの!私にはお腹を痛めた自分の子はいませんもの!義理とはいえ貴女の事は本当の娘の様に思っているのですよ」とイリューリアを大袈裟に抱き寄せた。
「お義母様…ご心配ありがとうございます。でも王弟殿下、クーガン公爵様がファーストダンスのお相手をして下さいましたので何とか社交界デビューは乗り切れたかと思いますわ…」
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