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015.義母マルガリータ--03
「まったく、忌々しい!」
そう吐き捨てながら馬車に乗り込みマルガリータは大きなため息をつく。
三年前、あの王子がイリューリアに「大嫌いだ」などと言ったらしい。
激しく落ち込んだイリューリアを見てマルガリータは心の中で大喜びしたものだ。
美しいイリューリア…亡き母エマリアにそっくりだ。
人を疑わない素直なところさえもマルガリータには腹立たしかった。
マルガリータは学院時代、イリューリアの母エマリアと同じ学院に通う子爵令嬢だった。
マルガリータの実家は身分はさほど高くはないものの商売をおこなっており裕福で甘やかされた我儘なお嬢様だった。
その当時、学院の高等部に在籍していたカルム・エルキュラートは女子生徒たちの憧れの的で、その頃王太子だったキリクア・デア・アルティアータと人気を二分していた。
その当時、さすがに王太子であるキリクア様は無理でもカルム様なら妻になれる可能性があるとあらゆるツテを利用し近づき何とかおしゃべり相手をさせてもらえるほどになった頃だった。
学園主催のダンスパーティの役員にあたったカルム様は、あの伯爵令嬢エマリアと出会ってしまったのだ。
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