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002.優しいメイド達
今日も朝からメイド達が私の髪をとかしてくれる。
「お嬢様、本当に、お美しいですわ!なんて綺麗なプラチナの髪でしょう」
ほうっとため息をつきながら、私の髪をすくメイドのマーサは、私が生まれた頃からこの屋敷に仕えてくれている。
そんなマーサだから、朝っぱらから有り得ないほど私を誉めそやす。
そう!悲しいかな、いわゆる身内贔屓というやつだ。
自分達の仕えるお嬢様が一番だと思いこんでいる…。
いわゆる親ばかみたいなものなので、私は鵜呑みにしないように心掛けている。
「ほんとうに、それに透けるような肌で…」と若くはつらつとしたメイドのルルーが言う。
若いメイドは上手い事を言う。
若い…といっても私よりは年上の二十歳のルルーは、流行に敏感で気の利くメイドだ。
ひきこもりの青白い顔の私の肌を透けるような肌だなどと…まるで美しいみたいな言い回しで褒めたたえてくれる。
ものは、言いようだと本当に感心してしまう。
うちのメイド達は本当に優しくて…そういう点では私はとても恵まれていると思う。
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