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たしかに、佐伯たちほどではないにせよ、直央に対するちょっとした嫌がらせはある。御堂や祥大の目が届かない、女子トイレや体育の時間などに。
ただし、他人からの悪意はもとより、好意にすら鈍感な直央本人が、それに気づいているかどうかは微妙だが。
「ま、あの子は大丈夫。もうすぐ、あれがあるから」
真璃花が、祥大を安心させるように言いきった。
「あれって?」
不思議そうにたずねる祥大に、
「――クラスマッチ」
あたりまえのように言うと、真璃花は極上の笑みを浮かべた。
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