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告白される、なんて。
(……中園くんは、王子様だから。私とは、違う世界の)
考えたこともなかった、そんなこと。
――“あんな風になりたい”
祥大はずっと、憧れの存在で。
だけど。
誰かに想いを向ける祥大。誰かと微笑みあう祥大。
どうして今まで、考えなかったんだろう。そんなの、あたりまえにある未来で。
「……ナオ~」
突然、真璃花に肩を抱かれた。
「……あ」
いつのまにか、頬に涙が伝っていたことに気づき、直央はあわててジャージのポケットからミニタオルを出す。
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