第3章 衝突

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 遠い人。  憧れの人。  ……だけど。 「御堂くん、ごめん。間違ってた、私」  目元をタオルでおさえながら、直央が言った。  御堂は不機嫌そうに、パイプ椅子の上であらぬ方を向いている。 「ナオ?」  心配そうな真璃花にかまわず、直央は続ける。 「……それと。ありがと、御堂くん」 「……何が?」  意外な言葉に、ちょっと毒気を抜かれた様子で、御堂が眉をひそめた。
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