第3章 衝突

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「私、気づいてなかった。自分の気持ち。御堂くんに言われるまで」  自分のうかつさに、直央は目を伏せて笑う。 「……好きみたい、私も。……中園くんのこと」 「――バッカじゃねーの?」  吐き出すように御堂が言った。  普段の「王子」の姿からは、かけ離れた態度。  でも、 (嘘じゃない)  直央がずっと感じていた、どこかひややかな、違和感のある御堂の態度(それを「野性の勘」だと真璃花に言われてしまったが)。  そんな今までの彼に比べたら、たとえ意地が悪くても、今の御堂と話す方が楽だった。
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