第3章 衝突

50/50
90人が本棚に入れています
本棚に追加
/366ページ
 保健室のドアに手をかけた御堂が、立ち止まった。 「一個だけ、おれも野宮さんと同じ意見」  細身だが意外と広い肩から、ふと力が抜ける。すっと伸びた首の上の小さな頭が、天を仰いだ。 「……王子様だよね。しょーちゃんは」  直央と真璃花に背中を向けたまま、御堂がふわりと微笑んだ気配がした。  そのまま、二人の返事を待つことなく、御堂は静かに部屋を出て行った。
/366ページ

最初のコメントを投稿しよう!