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第3章 衝突
身体を動かすことは好きだ。小さい頃から。
だけど。
「ナオ!」
空いたスペースに、勝手に走りこむ身体。
無意識に上がっていた右手に、バスケ部の柳川さんからのパス。
ノールックで斜め前の浜田さんにまわしたボールは、数秒後にゴールに吸い込まれた。
わあっ、という歓声。
「ナオすごいね、経験者?」
女バス次期キャプテン候補だという浜田さんに、並走しながら声をかけられて、直央は笑顔で首を横に振る。
直後に、浮いた相手のパスをカットして、そのままゴール下に持ち込んだ。
直央のドリブルの勢いに、ディフェンスが思わずコースを開ける。
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