第4章 接近

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第4章 接近

「おはようナオ!」  五月らしい爽やかな空が広がる、月曜日の朝。  右手と右肩には弓と矢筒、左肩にはいつものリュックという姿で、駅から学校へ向かう緩やかな坂を上っていた直央は、後ろから来た同じクラスの女の子たちに背中をたたかれた。 「あ、おはよう!」 (えっと、ダンス部の、エリちゃんと香澄(かすみ)ちゃんと……、モモちゃんだ)  直央は頭の中で、クラスメートの名前をこっそり確認する。  最近ようやく、クラス全員の顔と名前が一致したところだ。  ふっさりしたまつ毛に、光沢のある唇。近くで見るとしっかりアイラインも入った三人は、クラスマッチ前には口をきいたこともなかったダンス部女子たち。今日もキラキラの圧が強い。
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