第2章 加速

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第2章 加速

「あー、急いで食べて、数学やらなきゃ」  昼休み。机の上でお弁当を広げた直央が、ペットボトルのお茶をひとくち飲んだ。 「え? ノート提出、来週でしょ? 余裕じゃない?」  向かいで真璃花が首をかしげる。 「今度の日曜、先輩たちの試合なの。今日しかオフないから、今のうちにやっちゃわないと」  キャップを閉めながらこたえる直央に、 「いつも忙しそうだね、弓道部」  真璃花があきれ顔になった。 「でも正直、あんなの面白い? って思っちゃうけど。(まと)に当てるのは先にしても、まだ弓も持たせてもらってないんでしょ?」 「んー、まあ。でも私、意外と嫌いじゃないんだ。ああいう基礎練習」  うなずいて、直央は唐揚げとブロッコリーをテンポよく口に放り込む。
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