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そしてその夢の中でアタシはそいつと手を繋ぎ湖の水面で踊っているのだ。しかも、これ以上ない程楽しそうにーーー。
ーーそんなところで踊れるはずはないのに。
でも確かに夢の中では水面を滑るように踊る。
物理の法則に抗うかのように…
フィギュアスケートでもするように…
水面の上で踊る。
しかもその相手の男は見ず知らずの人。
ーー名前も
ーー歳も
ーー顔も…
何一つ知らない。
それでも楽しそうに二人踊っているのだ。
ーー誰なの?あなたは。
そう言ったとたんーーーー
ガシャーン!という正体の知れない大きな音で目を覚ます。
そんな夢を見るようになってひと月経った
昨夜遅くアタシのスマホに送られて来た一通のメール。
それは15年前…
父親が死んだ日の日付のメールだった。
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