プロローグ

6/20
前へ
/374ページ
次へ
ecdecb93-9cee-44e8-8347-ef5c60b6b839 そしてその夢の中でアタシはそいつと手を(つな)ぎ湖の水面(みなも)で踊っているのだ。しかも、これ以上ない程楽しそうにーーー。 ーーそんなところで踊れるはずはないのに。 でも確かに夢の中では水面を(すべ)るように踊る。 物理の法則に(あらが)うかのように… フィギュアスケートでもするように… 水面の上で踊る。 しかもその相手の男は見ず知らずの人。 ーー名前も ーー歳も ーー顔も… 何一つ知らない。 それでも楽しそうに二人踊っているのだ。 ーー誰なの?あなたは。 そう言ったとたんーーーー ガシャーン!という正体の知れない大きな音で目を覚ます。 そんな夢を見るようになってひと月経った 昨夜遅くアタシのスマホに送られて来た一通のメール。 それは15年前… 父親が死んだ日の日付のメールだった。
/374ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加