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踵を返そうとした森の手を、しかし、宵が絡め取るように引く。
「森」
「……なに」
「ねえ……見てて」
そう言うと彼は、制服のズボンを下ろし、ぐっしょり透けた下着を下ろした。
「宵」
と、声になったかはわからない。喉が鳴り、心臓が走る。
更衣室で盗み見したのとは訳が違う。宵が自分からさらけ出した下半身は、森の視線を釘づけにした。髪の色よりずっと濃い、しっとり濡れた陰毛。その下からむくりと頭をもたげる、あどけない色をしたもの。ぶる、宵が小さく震えると、先端から涙のように残滓がぷっくりと溢れて垂れる。
「どうしよ……すごい恥ずかしい、けど。すごい、気持ちいい……」
きっと心からそう思っているんだろう。でなければ、こんな無垢な顔で、こんなこと言えない。
「あのね、森」
「なに」
「嫌いにならないで」
「ならない」
「俺ね、今でも時々、おねしょしちゃうんだ」
「うん」
「……気持ちよくて……癖になっちゃって…………赤ちゃんみたいでしょ?」
「赤ちゃんが、こんな、たつかよ」
「……だって。家族以外に見られたの、はじめてで」
「興奮した?」
「うん」
いっそう前がきつくなる。森はズボンを下着ごと下ろし、宵の前に座り込んだ。
「……森の、おっきいね」
「お前がちっさいんだよ」
「いじわる」
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