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艮の犯行現場には『金』って書かれた ダイイングメッセージが残されていた。
「ガイシャは金に困っていたんじゃないですか?」
石原刑事はそう言った。
「そうかもな?」
里見刑事はスマホをいじっている。
「それとも名前かな?」
「エンジェルを調べろ、ツムツムおもしれー、集中したいから署に戻る」
石原はエンジェルに向かった。
兼子って人事部のデブが名簿で調べてくれた。
「うちには2人います、金田と金崎」
エンジェルは出版社、金田は社会部、金崎は芸能部。殺された艮は副社長。
「同山、貴様は金田を調べろ」
同山は最近入ったばかりの尻の青いガキだ。
「ウッス」
「力士か、貴様は」
石原は芸能部に向かった。
女優の誉田明子がいた。
石原の顔を見るなり逃げるようにいなくなった。
美人だなー。
でも怪しいな?逃げる必要ないだろうに。金崎はヒゲもじゃのデブだ。
「俺がやったってのか?」
「やましいことでもあるのか?」
「明子は昔、艮とつきあっていたんだ」
「略奪愛か?スクープじゃないか?」
「だからって殺さない」
「艮はやっぱり殺されたのか?俺は焼身自殺かと思ってたんだが?」
「小心な奴だったからな?」
ブラックコーヒーみたいに苦み走った笑みを浮かべた。
「昨夜の3時頃どこで、何をしていた?」
「明子とホテルにいた」
ラブホの防犯カメラには映っていた。
「おまえ勝手に何やってんだ?」
ロビーにやって来たのは哀川課長と苦味麻里子だ。麻里子は警部補、石原より階級は上だ。
そーゆー関係だったのか?
確か、麻里子ってダンナいたよな?
「イヤ、寮タバコ臭くって……」
「だからってこんなところに?」
麻里子が目を細める。
「あの事件はマリオが犯人で決まりだ。これ以上ほじくり返したらダメだぞ?」
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