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3
同山は逆回し蹴りを敵に見舞った。
「死ねよ」って言った相手が悪かった。
木のイスをコンクリートの壁に叩きつけてバラバラにして、木の脚を固定してもう1つの脚で前後にこする。
ボッ!炎がつき、狼煙が上がる。
電流の仕込んである鉄線を棒高跳びで飛び越えた。
アサルトライフルを腰だめにした敵兵がぬうっと現れた。
同山は敵の足元にダイビングした。
頭から地面に突っ込んだ。
両肘を軸にしてクルリと反転して同時に右足の爪先で敵の手首をキックした。
敵がライフルを落として、弾みでトリガーが引かれて弾が地面をえぐり、敵の顔面が炸裂した。
跳弾が橘の足首にヒットした。
「グワッ!」
「同山、大丈夫?」
ミドリがブラウスを脱いで包帯変わりにして止血してくれた。
レガシィに乗り込む。
運転はミドリがする。
バックミラーの中央に黒い点が見えた。4、500メートル後方から追ってくる。トラックがタイヤを軋ませながら急カーブに突っ込んできた。
急ブレーキをかける間もなく岩に激突した。トラックは右の前輪を岩に乗り上げ、山側へと横転した。
ミドリは同山のセフレだった婦警。
同山、ミドリ死亡。
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