極々ありきたりな日々

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極々ありきたりな日々

 ガチャッ。 「寒い…寒い寒い寒い…ああ本当に寒い…。  なんで冬なんて季節があるんだ…蜥蜴にこの環境は酷過ぎるだろ…」 「お帰りなさい、柚子(ゆず)さん」 「ああ、ただいま。いちご」 「御夕飯にしますか?お風呂にしますか?  それとも…わ…わた…!」 「無理はしなくて良いぞいちご。  というかそんなセリフをどこで覚えたんだ?」 「…お昼のドラマで知りまして…」 「…あー…その…なんだ。  …あんまり毒され過ぎない様にな?」 「は、はい…」 「そうだな…先に風呂にさせてもらおう。  汚れた体で食卓に付く訳にはいかないからな」 「はっ、はいっ!  お風呂はもう沸いていますっ!  私は御夕飯の準備をしますねっ!」 「ああ。ありがとう。楽しみにしているよ」 「はいっ!任せて下さいっ!」 「ふぅ…いい湯だった…」 「御夕飯、準備出来ていますよ。  それに…」 「?」 「じゃーんっ!  先日注文したこたつがようやく届きましたーっ!」 「おおっ!ようやく届いたかっ!」  がさごそがさごそ…。 「ああ…最高だ…こたつ文化のある国に生まれて良かった…」 「奮発した甲斐がありましたねっ!」 「ああ!」 「そして今夜の御夕飯はトマト鍋ですっ!」 「おお…おお…っ!」     
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