極々ありきたりな日々

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 にぎにぎ。にぎにぎ。 「りゅ、柚子さん…あの…その…」 「…いちごの手は本当の天使様の手の様だな。  …俺の、ただの機械をくっつけただけの手とは大違いだ」 「柚子さん…?」 「…なぁ、いちご」 「?」 「……いや、なんでもない」 「そうですか?  それなら良いんですけど…」 「心配掛けてすまなかったな、いちご」 「いえいえ、良いんですよ」  ぴとーっ。 「……あー…いちご?」 「何か問題でも?」 「そのー…少し密着し過ぎじゃないか?」 「何か問題でも?」 「あ、いや、問題というかそういうのは無いんだが…」 「なら問題ありませんね」 「いや、でもその…」 「もうっ!はっきりしませんねっ!  いったいどうしたというんですかっ!?」 「……いちごの胸が腕に押し付けられてるんだ」 「……」 「……いちご?」 「…あの、すっごく分かり辛いかもしれないんですけど、  …これでも私、その、あの…誘って、るんですけど…」 「…………恥をかかせてすまん…っ!」 「私こそはしたない真似をしてすいません…っ!」 「いや俺が鈍感だったせいで!」 「いえ私が突然妙な事をしてしまったから!」 「いや俺がっ!」 「いえ私がっ!」 「俺がっ!」 「私がっ!」 「……」 「……」 「…………くくっ」     
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