極々ありきたりな日々

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「…ねぇ、怪物さん」 「…なんだよ、天使さん」 「…私達、どうして戦ってたんでしょうか?」 「…国の為だろ」 「…ええ、そうですね」 「…俺達は、お前達敵国の兵器である天使を殺す為だけに遺伝子を改造され、こんな怪物みたいな姿になっちまった」 「強化人間、ですよね?他の生物の遺伝子を組み込んで造られた。  …私も、一緒です。  貴方達敵の国の強化人間を殺す為に、技術の粋を集めて造られた、機械仕掛けの破壊兵器です」 「機械人間だってな。そっちの国も物騒な物を造りやがって」 「そのままそっくり返します。  まさか国連の条約に違反してまで生体実験を行うなんて、誰も想像出来ませんもの」 「こっちの方がコストが安いんだってよ、国のお偉いさんが言うにはな。  ……ってぇ…」 「大丈夫ですか?」 「敵の心配すんなばぁか。  つか大丈夫な訳ねぇだろ。  こっちは右腕と左足吹き飛ばされたんだ、このまま放置すりゃあと三分で失血死だろうな。  それよりお前の方こそ大丈夫なのか?下半身が見当たらねぇんだが」 「敵の心配なんかしちゃ駄目ですよ。  こっちは機械ですから、貴方みたいに失血死はしません。     
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