極々ありきたりな日々

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 …でもエネルギー供給用のコアの大部分が壊れてるので、もってあと三分という所でしょうか?」 「そっちは良いよなぁ。  体入れ替えりゃすぐに復活すんだから」 「記憶領域の一部も破損してるみたいですから、たとえ体が完全に修復されてももうそれは私では無いです。  そちらも、あからさまに生物の再生速度を無視した再生速度が売りなんですよね?  それならそんな傷、直ぐに塞がるのでは?」 「俺達最終ロット組にそんな恩恵あると思うか?  傷だってほら、再生どころか崩壊し始めてるだろ?」 「…ほんとです」 「…俺達、このまま死んでくんだろーなー…」 「…私達、なんの為に生まれたのでしょうね」 「国の為、だろ?」 「国の、為…」 「お前んとこの国の死者数は?」 「人口の八割が亡くなりました。貴方の国は?」 「こっちは戦後交渉が終わり次第国そのものが消滅するだろうな。  なんたって今回の世界大戦の引き金を引いたんだから」 「…そう、ですよね」 「…俺達ほんと、なんの為に戦って、なんの為に生まれたんだろうな」 「…あの。  もしも…もしも私達、生き残ったら」 「生き残る訳ねぇだろ。近くに救助部隊どころか虫一匹いねぇんだぞ?」 「もしもの話ですよ。  もしも生き残ったら、何がしたいですか?」 「あー…そうだな。     
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