極々ありきたりな日々

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 もしも奇跡的に生き残る事が出来たら…ほら、あの中立国あるだろ、一切の武力の使用を禁じてるあの国」 「はい、ありますね」 「そこにある紅茶屋のオリジナルの茶葉が美味いって聞いた事あってな、そこに行ってその葉を買いたい」 「…あ、もしかして看板に花のレリーフがある紅茶屋さんですか?」 「ああ、そこだそこ」 「実は私も、一生に一度は行ってみたいって思ってた場所なんです。  こんな体なので検問に引っかかっちゃって、結局一回も行けませんでしたけど…」 「そうだったのか。  こいつは面白い偶然だな」 「ええ。本当に素敵な偶然ですね。  ……あう…」 「…もしかして…いやもしかしなくても、もう限界か?」 「…正直な所、こうして話をするので精一杯で…すいません」 「俺ももう目の前が霞んで何も見えねぇから、気にすんな。  …なぁ、天使さ」 「いちご、です」 「いちご?」 「本当はロット番号が名前なんですけど…それだとなんだか嫌だったので。  なので、親しい人には私が好きな果実の名前で呼んで貰ってます」 「俺は親しい人扱いか…悪い気はしないな。  俺は自分を柚子って呼んでる…ほんとはロット番号だけどな、俺の名前も。  俺の知り合いの特産品でね、この果実を使ったジャムがそれはもううまくて…」 「そうなんですね…一度食べてみたいです…」     
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