0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふぅ……」
ちょっと疲れたから、息抜きに外歩いてこようかな。
大きく伸びをして、ワーキングチェアから立ち上がる。テーブルの上に置かれたタブレットPCの電源は一応切ってある。まだ使う用事はあるけどキリのいいところまで書けたし、そういう区切りの意味で切っておきたいタイプなのだ。
別にどこかレストランとかカフェに行くわけじゃないから、手短に最低限の防寒対策だけして、部屋の外に出た。
うぅ、寒い。
冬の夜空は澄んでいて、普段だったら全然見えないような星だって見える。けれど、1番厄介なのはこの寒さだと思う。
「昔はこれくらいの寒さ、なんでもなかったんだけどなぁ」
なんとなく年齢を意識して悲しくなりながら、団地の階段を降りて外を歩き始める。外はとても静かで、どこか非日常の色を帯びていて、少しだけ気持ちが昂った。
最初のコメントを投稿しよう!