火と光の祝福

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 だが、(もり)を持って狩りに出かけるのであれば、やはり欠かせない。  パスワイツのしなやかで素早い動きを全て避けれる自信はサグゥにはない。  暖かい陽の光を全身に浴びながら、せせらぎを聴いていた時だった。 「アアアア!」  叫び声を聞いて、閉じていた目蓋が跳ねるように開いた。 「ええっと……南の砂浜かな?」  南には貧相な果樹園と、道具入れにしている小屋がある。近頃、そこでパスワイツが出ると噂になっていた。  砂浜にいるのなら小さな岩に隠れるしかないので、狩りがやりにくい。だが、襲われている人がいるなら助けないと。  焦る気持ちを必死に押さえて、サグゥは銛をしっかりと握り直す。狩猟長から学んだ通り、切っ先を上段に構えて足音を立てないように走る。  パスワイツの背中は厚い毛皮と、強靱な筋繊維を備えている。後脚も発達しており、立ち上がって襲いかかってくる。  戦う選択肢としては、前から堂々と戦うか、後ろに回り込んで皮が薄く筋繊維の少ない首を狙う必要がある。  前から戦うにはサグゥは未熟すぎる。だから、上段に構えて足音を立てずに近寄る必要がある。  叫び声はそれほど遠くなかった。すぐに砂浜が見えた。
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