どうか、氷の華を抱きしめて

太陽

　それもただの気まぐれ？　なら、本当に迷惑でしかない。
　胸焼けが強くなる。熱い鎖で締め付けられるような不快感。
　“いなくなる”ことが嫌だから、誰にも居てほしくないのに。

「私は嫌いよ、あなたのこと」
「知ってる。言ってたもんね」
「言ってる以上に大嫌い」
「そっか」
　アキは箸を置いて、食事の手を止める。
　そして、

「でも、好きになってほしいもん、私のこと」
　なんてことのない風に言って、笑った。

　この。
　こう。
　本当に勝手で。

「嫌い」

　変な奴。