①憧れ By扶久子

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 将来、彼女は私の嫁入り先にまでついてきそうなくらいの勢いで私が好きみたいなのだ。  私の結婚相手に兄弟がいたら、その人を落として結婚して私と本当に姉妹になるのが夢だと言っているくらいなのだから洒落にならないレベルだ。ははははは~。(←乾いた笑い)  そんな美少女になつかれまくっている私にモブな男子達はやっかんでいるのである。そうに違いない!心の狭い奴らだ!  …とまぁ、そういう訳で、男子からの風当たりはきつかった。とほほ。  亜里沙が私を褒めたりすると聞き耳を立てている隅っこの男供からは『ちっ』とか『けっ』とか小さく聞こえてくるんだよ…。ちくしょう! 「全然、大袈裟じゃないしっっ!」 「あははっ、男子もさ、きっと扶久が親しみやすいタイプだから構いたいんだよぉ!扶久は()()()だもんねっ」 「いや!ソレ、絶対、違うから!」  亜里沙に悪気が無いのは分かっている!  見た目だけじゃなく性格まで明るくて優しい彼女は()()()素敵な子なのだ!  だけど、だからこそ本当に堪忍してほしい!  それでなくとも一緒にいるだけで私の不細工が目だってしまうのだから!  頼むから私の事は褒めてくれるな!  それが私の彼女への切なる願いだ!     
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