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神とおぼしき存在が、いきものに才能の種をうずめて、生を授ける世界でのこと。
優しい陽が射していた。神とおぼしき存在はうつらうつらとしていて、ヒトといういきものの一匹に、才能の種をいくつもうずめてしまった。
才能の種は、ひとつの生につき一粒までという決まりだったが、
神とおぼしき存在はそのヒトに生を授けることにした。
その決まりは神とおぼしき存在だけで定めたものだったし、何より才能の種は努力という水を注がなければ芽吹かない。ほとんどの種は芽吹かぬまま腐り、他のいきものに気づかれ、怒られることはないだろうと思ったからだ。
ところがそのヒトはうずめた種全てを芽吹かせた。しかも他のいきものから慕われ、英雄と呼ばれるようになった。
更には才能の種を落とす、才能の花を植えられるまでになったのだ。
そのことが、才能と生を授けることで信仰を集めていた神とおぼしき存在に頭痛の種をうずめ、英雄を殺めた。
神とおぼしき存在ははじめ、英雄が各地に植えた才能の花を刈り取ろうとしたが、やめた。
いくら努力しても、うずめられた才能の種の違いから成果が実らない いきものが居ること。また、彼らのために植えられたことを、嵐の中であろうとも才能の花に射し込む陽の優しさから教えられたためだ。
しかし、才能の種はなかなか落ちない。
種を腐らせるようないきものまで拾っては、英雄の想いは届かないだろう。
己の誤ちから生を受け、そして奪われた英雄の努力を腐らせないために、と神とおぼしき存在は、才能の花に近づくいきものに試練を与えることにした。
これがーーダンジョンの起源とされる
時は大ダンジョン時代!老若男女、種別に関わらず、才能を求めて いきものたちは、あらゆるトラップの待つダンジョンに挑むのであったーー!
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