ハルイチについて

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 さて、このように住職がやって来たまでは良かった。しかしながら、人の住まなくなって久しい家屋は、蛇やら狸やらの住家となっていた。上を見れば、剥がれかけた天井板どころか、ずれた瓦の間から雀が顔を覗かせる。下を見れば、穴だらけの床板に鼠の糞尿が染みている。とてもとても、そのままの在り様で住めたものではない。  困り果てたのは、新しい住職。これでは説法どころではない。
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