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部屋を出て廊下に出ると、まだ屋内なのにびっくりするほど寒かった。
「極寒だったね」
コンビニ入って一言、美希が言う。やばかった、とコンビニのあたたかさにホッとしつつ同意する。
ぼくらは並んで棚を眺めつつ、これおいしい、とか、これはカロリーがやばい、とか商品の情報をあれこれ共有する。
1年の時に出会って、四年で同じゼミになるまで、美希とはあまり接点がなかった。教室や懇親会で一緒になると少ししゃべるくらいの距離感だった。でも、会うと声をかけたくなる接しやすさがやはりあった。
それがゼミで同じになってからは、週に1回一緒にご飯を食べる間柄になった。と、言っても週1のゼミ終了後に学食で食べていただけだけれど。ほかのゼミ生がいることもあれば、いないこともあった。二人の方が多かった気がする。
その時もこうやって何食べようかなあ、と楽しそうに悩んでいた。今年が終わって、卒論を提出したら、もうそういうこともなくなるんだろうか。もしかして、こうして一緒にあーでもないこーでもない、と言いながら悩むのも最後かもしれない。
「どうしたの」
言われてハッとして美希の方を見ると、のぞき込むように美希がぼくのことを見ていた。
「あ、いや、別に」
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