0人が本棚に入れています
本棚に追加
光を感じない。
音も聞こえない。
口もきけない。
腕も、足も動かない。
無感覚の闇…死の認識、という矛盾する思考のなかで、唯一“あたたかい”という感覚が徐々に意識を覚醒させていく。
記憶をたどる。最後の記憶…?
…沈んでいく……水?
…水の中を、深く、深く、私は深く深く深く、沈んでいた。
…なぜ、…なぜ?……
そうだ、絶望だ!
絶望、という感覚を思い出すや、記憶が奔流となってあふれでた。
私は、長い長い旅から帰ってきた。ふるさとに…。
生まれ育った故郷に。
最初のコメントを投稿しよう!