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というかなんでこんな朝早くから出勤して寒い寒い外に出ないといけないんだ!?勤労って所詮人間が生み出した一つの社会をそれなりにうまいこと回すことのできるただの一つの仕組みに過ぎないわけでしょ?出勤した人だけ出勤すればよくない?したくない人たちはこっちで違う社会の回し方を考えるからさあ、頼むよ今の私から朝のほんの短時間の休息を奪わないでほしい。
悲しんだ後は一通り自分以外のものにブチ切れ倒して三回目のスヌーズが鳴り始めたあたりで観念した。(先週見た美容サイトの寝具についての記事の上に『スヌーズは体に悪い』というタイトルの記事が並んでいたことは都合よく記憶の端っこに足で押して追いやることにすぐに決めた。)
「布団のぬくもりだけが私に優しい」
そんな言葉を反芻する。起き上がるタイミングを図る。まだ観念してなかった。
えい。えい。えい。
・・・・・・。
外の通りを大型トラックほどの質量を持っている車がゆっくり道をカーブしているような気配が伝わってくる。ドン、ドン。独特のエンジン音。それは昔に流行った某J-POPのリズムと一致している、と感じた。夏祭りをテーマにした楽曲だ。
ドン、ドン、ドン、ドン。
真冬の朝の寝ぼけた頭の中に夏祭りの光景が浮かぶ。
トラックがカーブを曲がり終え走り去っていく。
ドン・・・・・・ドン・・・・・・。
脳内で鳴り響く祭囃子に合わせてガバッと起き上がった。
「・・・・・・さっむ。」
地下鉄で20分。満員電車から吐き出され無心でコンビニの暖かいカフェオレを買い求め突入すると表現していいくらいの勢いで暖房の効いたオフィスに入った。
「オフィスでPCを立ち上げる隙間に喉に流し込むカフェオレのぬくもりだけが私に優しい。」
そんな言葉を反芻する。冬の日常は、まあ、こんな感じ。
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