遭遇

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 あたふたしているジーナの様子を眺め、困ったような顔で右手を肩のあたりでひらひらと動かす。ジーナはやっと気づき、びしりと敬礼をした。 「ローフイッシュ・イーター技術少尉殿、着任を承認いたします。司令部艦隊へようこそ」「ありがとう、曹長」  新任士官は答礼をしながら答えた。 「とりあえず、司令部へ連れて行ってくれ。従卒うんぬんはその後の話だろう」 「はい、少尉殿。では、車にお乗りください」  今度は技術少尉を奥の席に座らせ、自分はその隣に座る。興味深そうにこちらを見てくる運転席の兵士を睨みつけ、司令部に向かうよう命じた。 「出発します、少尉殿」 「よろしく」  走り出した高速機動車両の中で、新任技術少尉はこれまでの遊撃戦隊での活動、そしてこれから二年間の司令部直属戦艦での生活に思いを巡らせていた。遊撃戦隊の連中は気は荒いが、どんなよそ者でも分け隔てなく腹を割って付き合ってくれた。今、名乗っているローフイッシュ・イーターという名前も遊撃戦隊で過ごす中で考えついたものだった。横に座ったジーナが司令部と盛んにやりとりしている様子を見て、ふと思う。これから二年間同じ艦で暮らすうち、実は自分の名前は遊撃戦隊でのあだ名を母星の言葉に言いかえたものだと彼女に打ち明ける日が来るだろうかと。                  終わり
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