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私の好きなもの、どうしてそんなに嫌うの? 私が好きなものを見せただけなのに、どうしてそんな風に泣き出すの? どうして? そうやって、あの子をなじっているような考えが、ぐるぐる回って、それもまた、つらかった。
「……私がその子を泣かせちゃったから、その子、しばらく学校に来なくなったんです。私みたいに保健室登校でもなくて、本当に、おうちに閉じこもっちゃって。……私とあの子、家、近いんです。あの子からすると私って突然嫌がらせしてきた嫌な子だから、たぶん、会いたくなかったんだと思う。
お母さんはあの子の家に謝りに行きました。迷惑、かけちゃったんです。あの子のお母さんは、たぶん、今も私を怒っていて、たまに近所で見かけるんですけど、いつも睨まれちゃいます」
大の大人に睨まれるのって、いつになっても慣れない。
「えみるちゃんはわざとやったんじゃないのに?」
「……はい」
「そっか。……今もなんて、本当につらいね」
「……でも、私が、悪い気がしてて、しょうがないのかなあ、なんて」
「そんなに自分を責めないの」
先生が珍しくこっちを向いた。私の頭をちょっと撫でてくれる。
――ちょっとだけ、目の奥が熱くなった。
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