ある雪の日

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時代は汽車が普及した頃 時間は冬の始まり 今日は初雪が降っていた ここは美術家達には有名なとある歴史のある街 その一角にある大きな学園の中の一部屋 その部屋の中には一人の教師と30人の生徒が居た 「では、結果を発表する」 教師であるマクレルがそう言い 3枚の絵を一枚ずつ黒板に張り出す 一年に一度のコンテスト その結果が発表されていた コンテストの上位3名には奨学金が渡されて 特に1位の者は外部からの仕事が約束されていた 3位、2位と発表され最後に1位が発表される 「よし!やった!」 発表と共に一人の生徒が思わず立ち上がる 「おめでとう!」 「さすがリオル」 「いつも遅くまでがんばった甲斐があったな」 彼の名はリオル、この街の鉄道会社の社長の息子で この教室の優等生でもあった 彼を妬む者も居たがそれ以上の友人達に彼は祝福されていた。 友人達はさっそく祝賀会の予定の話を初め賑わっていた その陰で一人の生徒が絶望的な表情でつぶやいた 「・・・ここまでかな」
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