偽りのキスー3

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「夏目様、失礼致します。たいへんお待たせ致しました……あっ、ご気分が悪いんですか!?」 控室に入ってきた担当者が、床に座り込んでいる私を見て大慌てで駆け寄ってきた。 「いいえ、大丈夫です。椅子に座ろうとして失敗しちゃいました」 ごまかし笑いをして立ち上がる。 私は夏目家の一員だ。 この期に及んで後には引き返せない。 担当者に誘導され、私は青ざめた顔で写真室に向かったのだった。
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