偽りのキスー3

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そして今、私は彼と並んで祭壇の前に立っている。 写真撮影は細かい記憶が飛んでいて、上の空だったかもしれない。 私を初めて見た和樹さんが「最高に綺麗です」と優しく微笑んだことは覚えている。 控室の一言さえ聞いていなければ、彼の表情と言葉を信じられただろう。 誓いの言葉のあと、指輪を交換する。 彼の手を取る私の指は細かく震えていた。 彼の手を温かく感じるということは、私の手が緊張でかなり冷えていたのだと思う。 長い指に銀色のリングを恐る恐る嵌めながら、これらの儀式が無事に、そして早く終わることを祈った。 もうすぐ終わる。 でも、残されているのは一番恐れていたこと。 「誓いの口づけを」 神父の声で、呼吸が苦しくなった。 とうとう私たちの真実が白日の下に晒されてしまう気がした。
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