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「大丈夫だよ。あのキスは本物に見えたよ! これは間違いない」
理子は太鼓判を押したあと、続いて私を笑わせてくれた。
「結衣が本物にしたいって思ってるなら、態度で示さなきゃ」
「態度って、例えば?」
「セクシーランジェリーで迫ってみるとか」
理子はまったく本気でないらしく、言いながら笑っている。
「無理だって! 呆れられる図しか浮かばないよ」
「軽く死ぬよね。相手は宮瀬本部長だし、滑ったら氷点下だわ」
二人で大笑いしたあと、理子は明るく私を励ました。
「ハズレ婚とか言ったの、いつか土下座させるつもりでさ。結婚したんだもん、遠慮いらないよ」
「……うん。頑張る」
〝あなたの愛は薄っぺらい〟と言われたことも、一度だってキス以上のことがないことも、肝心な部分は打ち明けないまま、具体的な解決策も見えないままだ。
でも理子のおかげで孤独が癒され、明るい気分になった。
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