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飲んで喋ってマンションに帰宅したのは夜の十一時だった。
今晩友達と会うことは伝えてある。
和樹さんはもう帰宅しているだろうか?
少し緊張しながら玄関ドアをそっと開ける。
ドアの内側は真っ暗だった。
玄関で一つ大きく溜息をつき、真っ暗な家に電気を点けながらリビングに進む。
キッチンには、出かける前に作っておいた彼の食事が温めるだけにしてある。
〝今晩は帰りが遅くなるので、僕の分の食事は用意しなくでいいです〟
何度この言葉を聞いただろう?
この十日間で彼が自宅で食事したことはほとんどない。
それでも私は彼の分まで食事を下ごしらえして、冷蔵庫の奥に常備していた。
予定外に忙しくて、食べられずに帰ってきた時に、手早く仕度してあげられたら。
でも結局、それはそのままそっくり翌日の私の昼食になるばかりだった。
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